東経0時00分00秒
世界の時刻の基準となる本初子午線は、ロンドン市内から距離にして5km、南東にあるグリニッジパーク内の旧グリニッジ天文台を通過しています。
しかし正しくは本初子午線を決定するために天文観測を行っていた場所であり、観察していた「天文台本館の窓」の中心を本初子午線と定めたということです。
館内は意外と広く、天文観測に使用していた道具が多数展示されています。
解説は当然英語なのでじっくり読み込む時間が取れなかったのが残念でしたが、GPSも何もない時代に星の観察だけで世界の標準を決めようとした意気込みに考えさせられるものがありました。
こんな風に魂のこもった仕事をしたいものです。とはいえここのメインはやはり、本初子午線をまたいで写真を撮る、ことです。
「WEST-PRIME MERIDIAN OF THE WORLD-EAST」と書かれたこの場所。
もちろん東経0度は子午線上すべてに当てはまることなのですが、ものごとの起源となった場所はやっぱり特別です。
子午線上に立って、昔の学者が観察していた方向を向き、空を指差して記念写真を撮影し、名残惜しいながらにグリニッジを後に帰国の途に就きました。
この日には少々の余談があります。
この日とその前日、ロンドン地下鉄はストライキを行っており、利用しようと思っていた地下鉄路線が動いていないことに駅に行ってから気づくという事態が起こったのです。
友人との待ち合わせも遅刻、空港へ到着するのもぎりぎり。それはもう焦りましたが、珍しい体験をさせてもらったと逆に感謝しています。
こんなこともありますので、自分で旅を組み立てる人は、時間に余裕をもっておいてくださいね。