チェコと言えば人形劇。そう教えて下さったのは日本人でありながら世界各国で人形劇を上演し活躍されている知人でした。日本でのイメージだと人形劇と言えば小さなパペットを手にはめると言うイメージだったのですが、チェコのプラハで見た人形劇には度肝を抜かれました。
『国立マリオネット劇場』でしたが、オペラを中心に上演するせいか日本人の客が来ることは少ないとのことで大歓迎されました。事実、私が見に行った時の客席で日本人らしい人は見かけませんでした。
その時見た演目が何だったかは覚えていないのですが、モーツアルトのオペラで喜劇だった事は覚えています。人形でどうオペラをやるのか興味津々で観に行ったところ、人形師と言うか傀儡子と言うのでしょうか、余りの弾けっぷりに思わず大爆笑です。
歌を含めた音楽は録音の様でしたが、まずマリオネットが大きいのです。身長1m以上はあったと思います。これが見事に踊ったり歌っているかのような仕草をしたりするのですが、日本の人形劇と違いマリオネットなので上から人が操っている関係から傀儡子は丸見えです。
余りに派手だったので気が付いたのですが、傀儡子が完全にマリオネットと同じ動きをしているのです。
しかもマリオネットを操っている人の方は盛り上がる場面では合いの手のような声まで出してしまっています。ここまで来るともう既に人形劇を見に来たのか傀儡子を見に来たのか分からなくなって来ます。劇場中大爆笑、単純に盛り上がって面白いの一言でした。
あんなに大笑い出来る伝統芸能と言うのを私は今まで見たことがありません。プラハは夜が遅い街でもあるので一度は踊るマリオネットと傀儡子のコラボレーションを見ておいて損はありません。
プラハと言えば観光客が必ず訪れるカレル橋とプラハ城
カレル橋はマリオネットやジャズバンド、似顔絵描きや手作りアクセサリー屋などが並ぶプラハ1派手な橋ですが、この橋の上で行われるパフォーマンスや売り物は全て許可が必要な為非常に良質です。
中でもジャズバンドはなかなか聞き応えがありメガホンの様なものを使用して歌っているボーカルのパフォーマンスは思わず踊りだしてしまいたくなる程楽しく、橋の上で演奏している曲はその場でCDを買うことも出来ます。
プラハ城へは本当はトラムを使用した方が早いのですが、このカレル橋を渡ってお散歩がてらフラフラ歩いて行く事も出来ます。
橋を渡る前から見える大きなお城ですので道に迷う事は滅多になく、大きな道沿いに行けばちゃんと辿り着く事が出来るのです。
このプラハ城、さすがにプラハのシンボルだけあり中には見どころがたくさんなのですが、営業時間が短いのが玉に瑕でした。
チェコ以外の他の東欧諸国でも感じた事なのですが、日本だけではなく観光に行くにしては東欧はどうしてもマイナーなイメージが付きまといます。
全く来ないわけではないけれど西欧程ではないせいでしょうか、観光客に対して出来るだけ自分達の国の文化をもっと知って欲しい、もっと見て欲しいと言う雰囲気を強く感じました。
プラハには他にドボルザークや日本でも人気のミュシャの博物館などもあるのですが、ドボルザーク博物館に関しては入館時に何語を話すのか聞かれ、日本語と答えれば日本語のガイドブックを貸してもらえます。
私はうっかり英語と答えてしまい英語のガイドで見て来ましたが、後から聞くとかなり多くの言語に対応しているようでした。
ミュシャ博物館では日本では余り知られていないミュシャのエピソードをビデオで流していたり、日本では買えないミュシャグッズもありファンには堪らない場所です。数々の見どころだけで無く、チェコは喫茶店でコーヒーを飲むよりビールを飲む方が安い国、しかもビールが美味しい事でも有名です。
かと言ってなかなか日本では飲む機会のないチェコビール、飲めても高いので思いっきり飲むと言う訳にもいきません。プラハはビールを飲めるレストランがその上の階をホテルとして安く泊まれるようにしている所もあるので、ビール好きには最高の場所でもあるのです。