クラシック音楽のファンには数多くの作曲家が活躍した都として憧れのウィーンは、オーストリアの東部に位置する首都です。中世からヨーロッパで強い勢力を誇ったハプスブルク家の中心地として発展してきました。ウィーンのイメージといえば、クラシック音楽でおなじみのモーツアルトやベートーベンなどが活躍した音楽の都であり、今も音楽を学びにやってくる若者が集まります。また、500年の歴史が続くウィーン少年合唱団の本拠地アウガルテン宮殿もウィーン市内にあります。
気軽に参加できるのはウィーン王宮礼拝堂で日曜日に開催されているミサ
日本から予約することもできますし、飛び込みでも立ち見席がありました。時間に余裕があったので、事前にメールで予約をしてから現地に行きましたが、30ユーロ程度でとてもいい席が確保できたので、わずかに少年たちが歌っている姿をリアルに見ることが叶いました。
(安い席になるほどまったく見えなかったり大型テレビ画面のみの場合もあるようです。もちろん歌声は耳にできます)
ところで、ウィーンには老舗のカフェハウスが通りに数多く立ち並んでいます。
ガイドブックに出ているような有名店でなくても十分楽しめるので、本場のザッハトルテに 舌鼓を打ちました。スイーツ好きなので昔から行ってみたかったザッハトルテの元祖であるホテル・ザッハーにも行きましたが、国立歌劇場にあるので場所もわ かりやすい、店内も素敵な時間を過ごすことができます。
憧れのヨーロッパを象徴するシュテファン大聖堂
二つの尖塔とモザイク作りの屋根がよく知られています。
中に入ると、今まで写真でしか見たことがなかった風景が広がります。
丁寧に作り込まれた彫刻や、美しい絵画、豪華なシャンデリア。
高い天井と複雑に組まれた梁、そして参拝者の祈りがこもったろうそく。思わず、ぞくぞくっと体がふるえた感覚がありました。
無料で見学できる範囲は狭いものの、じっくり30分滞在しました。有料ですが塔に登ることができました。行っておけばよかったと後から後悔しています。
こういった寺院は、時間帯や天気によって中の雰囲気も変わるので3日間の滞在中、合計6回も通ってしまいました。晴れた日、光が入って床が照らされた寺院を見ていると、ここに祈りに来ている人がみな、毎日幸せであればいいなと思えます。
時間があればホーフスブルク王宮内の宝物館にも行ってみましょう。地味なミュージアムなのですが、アニメやゲームでもときおり出てくる「ロンギヌスの槍」として知られている聖遺物が展示されています。この王宮自体ももとはハプスブルク家のもので庭園も素晴らしいので訪れる価値十分です。
また美術館つながりではエゴン・シーレのコレクションをたくさん持っているレオポルド美術館も印象に残りました。世紀末芸術が花開いた芸術の都ウィーンだからこそ、普段は目にすることのできない音楽や絵画を中心に観光するのもおすすめです。
私が一番気に入った場所はここでしたが、ウイーン市内には写真を撮り疲れてしまうくらいに、豪華な建物がたくさん並んでいます。
メインストリートのひとつであるケルントナー通りは勿論のこと、特に名もない路地裏でも、住民が飾った花や、雰囲気のある煉瓦の道を見ることができます。
旧市街の真ん中では、観光用の馬車の座席に座って世間話をしているスタッフの方の姿も。
そんな風景も絵になってしまうヨーロッパ。観光スポットめぐりも良いですが、ふつうの街中にも旅の発見はたくさんあるものですね。
ウイーン市内にある建物はどれも迫力があり美しいものです。しかしそれだけではありません。
路面電車を使って簡単に行ける場所に、ちょっと奇抜な建物も存在しています。
クンストハウス・ウイーンという建物と、フンダートヴァッサーハウスという名称で、ウイーンの建築家・フンダートヴァッサー氏が設計した建物です。
曲線ばかりで象られた壁、黒と白の市松模様の外壁。突然変わる壁の風合い。ピンクと青と黄色がすぐ近くに配置された不思議な色合い。言葉では伝わらないのでぜひ検索してみていただきたいのですが、実際の建物として見ると、ビルのサイズの絵画を見ているような錯覚に陥ります。
しかし中にはそれぞれ美術館やカフェがあり、公共のマンションとして一般の方が住まわれています。日本の風景と比べて、ウイーンの街がロマンチックなら、氏の建築は異空間。こんなに派手でパーツの形もいびつなのに、なぜか違和感がなくきれいに見える。そしてこれが、ロマンチックのなかに突然ぽんと存在しているのです。
歩いても行くことができる場所ですが、ウイーン市内では地下鉄・路面電車・トラムの共通一日券を購入することができ、交通の便が良いのでぜひ利用してみましょう。中心部から路面電車に乗って10分程度で見学に行くことができます。このチケットがあれば、前述のシュテファン寺院から、神殿のような国会議事堂まで、市内を効率よく回ることができます。そんなに大きな街ではありませんが見どころが多く、時間を有効活用するためにも素早い移動は必須です。